アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード
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アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード(英:American Canadian White Shepherd)とは、アメリカ合衆国・カナダ原産の犬種である。ジャーマン・シェパード・ドッグの白変種で、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの原種である。
歴史 [編集]
もともとジャーマン・シェパード・ドッグのホワイトの個体はスタンダード外であるとして処分されていた。しかし、能力は普通のものと全く変わりは無いのに毛色が違うだけで殺処分されるのは人種差別と同じであってはならない事であると考えたアメリカ・カナダの両国のブリーダーがジャーマン・シェパード・ドッグの白変種を集めて改良し、ひとつの犬種が出来上がった。それがこのアメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパードである。品種化にあたって腰を強化し、攻撃的な性格を和らげる改良も加えられた。
しかし、オリジナルのジャーマン・シェパード・ドッグのブリーダーの厳しい批判を受け、一時期獲得したドッグショーへの参加資格を剥奪されてしまう。この批判の中には理屈なきいちゃもんに過ぎないものもあったため犬種は消滅せず、ファンが年々増加してアメリカ・カナダ国外にも輸出されるまでの人気を得た。それによりスイスに渡ったものは更に改良が加えられ、より純白でより華麗で優しい性格の品種に改良された。この犬種は後のホワイト・スイス・シェパード・ドッグで、原種となった本種よりも人気の犬種となって世界中で飼育されるようになった。それにより白変のジャーマン・シェパード・ドッグに対する偏見も薄まり、多くの国のケネルクラブでジャーマン・シェパード・ドッグの毛色のスタンダードにホワイトが追加された。しかし、それの原産国であるドイツではいまだにホワイトの毛色のものはスタンダードとして認められず、殺処分はされないものの、たとえ両親が血統書つきの高血統なチャンピオン犬であったとしても血統書を発行してもらえず、ジャーマン・シェパード・ドッグとして認めてもらえないうえ、ドッグショーにも純血種として参加できない決まりになっている。
アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパードとホワイト・スイス・シェパード・ドッグ、そしてホワイトの毛色のジャーマン・シェパード・ドッグは外見がよく似ているため、3犬種を並べて見ないと専門家でも見分けをつけるのが難しいとされている。そのため、他犬種以上に血統書の保持が重要な犬種である。
特徴 [編集]
ジャーマン・シェパード・ドッグよりもおおがらで、足腰が強い。肉球や鼻の色はブラウンである。立ち耳・垂れ尾でショートコートだが、時にロングコート、ごくまれにワイヤーコートのものも存在する。毛色はホワイトとクリームのみ。大型犬サイズで性格は忠実で温和、訓練やしつけもよく入り、知的で物分りがよい。
参考 [編集]
- 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
- 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
- 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
関連項目 [編集]
ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ
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ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ(英: White Swiss Shepherd Dog)とは、スイス原産のジャーマン・シェパード・ドッグの白色版(白変種)である。
穏やかな気質と真っ白な毛色から、晴れた日のスイスの雪山という異名も持つ。
しかし、能力も性格も基本的に普通のジャーマン・シェパード・ドッグと同じであり、うまれつきの毛色の違いだけで処分されるのは人種差別と同じであってはならない事だと感じたアメリカ・カナダ両国のブリーダーが白色のものを犬種として固定しようとプロジェクトを立てた。
これにより1930年代前後に固定された白色のシェパードが、アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード(以下、アメリカン・カナディアン種)である。この種の知名度は徐々に高まり、ドッグショーにも出展できるようになったのだが、1960年代になると、スタンダードカラーのブリーダーとの間で摩擦が起こって、アメリカン・カナディアン種は非難されるようになってしまう。
更に、ジャーマン・シェパード・ドッグの遺伝子学的な問題で、白い被毛はスタンダートの毛色を色褪せさせたり、老年になると色がはげてくる要因となると考えられ(実際にはそのような事は起こらないので注意)、1968年にはアメリカでもドッグショーでの失格の対象となってしまった。
しかし、アメリカン・カナディアン種は一部の愛犬家やブリーダーによって血統を守られ絶滅の危機から生還した。 後にアメリカやカナダでは白色のシェパードが次第に明確な1犬種となり、1970年代初頭にはスイスにも輸入された。
そこでアメリカン・カナディアン種が改良され、本来のジャーマン・シェパード・ドッグの欠点を改善し、それに加えて性格を穏やかにしたものがこのホワイト・スイス・シェパード・ドッグである。
かつてはこの犬種の統一した呼び名は無かったが、2003年にようやくFCIに暫定公認され、この名前をもらった。それを受け日本でも2004年に同名で新犬種としてJKCに登録された。
日本における飼育頭数は意外と多く、2007年年の飼育頭数ランキング(人気順位)は105位であった。(愛犬図鑑2007、辰巳出版 調査)
穏やかな気質と真っ白な毛色から、晴れた日のスイスの雪山という異名も持つ。
歴史 [編集]
かつてジャーマン・シェパード・ドッグの白色のものは、犬種規定外であるとして排除されていて、ドッグショーにも出展することができなかった。しかし、能力も性格も基本的に普通のジャーマン・シェパード・ドッグと同じであり、うまれつきの毛色の違いだけで処分されるのは人種差別と同じであってはならない事だと感じたアメリカ・カナダ両国のブリーダーが白色のものを犬種として固定しようとプロジェクトを立てた。
これにより1930年代前後に固定された白色のシェパードが、アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード(以下、アメリカン・カナディアン種)である。この種の知名度は徐々に高まり、ドッグショーにも出展できるようになったのだが、1960年代になると、スタンダードカラーのブリーダーとの間で摩擦が起こって、アメリカン・カナディアン種は非難されるようになってしまう。
更に、ジャーマン・シェパード・ドッグの遺伝子学的な問題で、白い被毛はスタンダートの毛色を色褪せさせたり、老年になると色がはげてくる要因となると考えられ(実際にはそのような事は起こらないので注意)、1968年にはアメリカでもドッグショーでの失格の対象となってしまった。
しかし、アメリカン・カナディアン種は一部の愛犬家やブリーダーによって血統を守られ絶滅の危機から生還した。 後にアメリカやカナダでは白色のシェパードが次第に明確な1犬種となり、1970年代初頭にはスイスにも輸入された。
そこでアメリカン・カナディアン種が改良され、本来のジャーマン・シェパード・ドッグの欠点を改善し、それに加えて性格を穏やかにしたものがこのホワイト・スイス・シェパード・ドッグである。
かつてはこの犬種の統一した呼び名は無かったが、2003年にようやくFCIに暫定公認され、この名前をもらった。それを受け日本でも2004年に同名で新犬種としてJKCに登録された。
日本における飼育頭数は意外と多く、2007年年の飼育頭数ランキング(人気順位)は105位であった。(愛犬図鑑2007、辰巳出版 調査)
特徴 [編集]
- 外貌:筋肉質で骨格は程よくしっかりしており、エレガントで調和の取れた外貌。
- 性格:活力があり、神経質ではないが、いくらか注意深く警戒心がある。穏やかで子供にもやさしく接することができるので、ペットとして飼われることが多い。見知らぬ者に対しては幾分控えめなこともあるが、攻撃的な態度はとらない。
- 毛質と色:被毛は中程度あるいは毛長のダブルコートで、密生し体に沿って寝ていて、豊富な下毛 がある。上毛は滑らかで密生している。毛色はホワイトかピュアホワイト(純白)。
- サイズ:大型犬分類。
- 体高:牡60~66cm/牝55~61cm
- 体重:牡約30~40kg/牝25~35kg
関連項目 [編集]
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- 白変種
- 長渕剛(愛犬として所有。この事を歌った楽曲もあり)
- 犬の品種一覧
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